2017年4月12日水曜日

法定相続情報証明制度に関する雑感

●省令案概要
https://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000152142


●法定相続情報証明制度とは


・概要


A:相続人の確定作業は意外と大変で,
本籍地の変更や身分関係の変更が多い場合,
取得すべき戸籍の量・取得にかかる手間は膨大になります。


B:また,各銀行・保険会社毎に戸籍の原本を提出しなければならず,
さらに手間も費用もかかります。
提出を受けた銀行・保険会社側も確認に相当な手間と時間を要します。


C:現在導入が検討されている本制度は,
法務局に揃えた戸籍を提出し,法定相続情報証明書を発行してもらうことで,
Bの手間と時間を削減することが期待されています。


・雑感


導入理由は所有者不明土地・空き家の解消のためで,
相続登記を促進する仕組みとして提案がなされました。


そうはいいつつも 実務家が注目しているのは,副次的な部分,
Bの特に対銀行の事務処理の簡略化です。


実際のところ,各銀行・保険会社が法定相続情報証明書の提出だけで良しとするか明らかでなく(実務上預金債権が可分債権と考えられていた時期の対応からすると・・・)
実務が本当に変わるのかわかりません。


また,そもそもの提案理由は相続登記の促進であるわけですが, 実際は銀行や保険会社に提出する証明書だけもらって登記はしないという 結果になり,本来の目的を達するのは難しいようにも思います。


個人的には,徒に手間と費用の掛かる戸籍取得手続(A) の改善をもっと真剣に議論してほしいと思います。
戸籍1通450円 除籍1通750円
転籍している場合 各市区町村を回って集めなくてはいけない仕組み

東京 文京区 本郷の弁護士 柏木恭平 (東京弁護士会 柏木法律事務所)


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