2014年6月4日水曜日

弁護士選び 司法書士選び に関して

弁護士の広告が解禁されてから,かなりの時間が立ちますが,

リーガルサービスは身近なものになったとは到底いえない状況です。

現在,インターネットで弁護士や司法書士の情報を探す方が多いと思いますが,

ネットの情報を鵜呑みにすることはとても危険です。

以下は,最近目にして,同業者として疑問を感じた情報です。

例1 「任意整理、過半数が借金0に」

 任意整理で「借金0」になるというのは,①過払の場合,②時効援用の場合のことを指していると思いますが,①②ともに,代理人の能力云々ではなくて,依頼者の事情によってほぼ決まるものです。
 そして,①平成18年最高裁判例以後急増した過払案件も今は全国でほとんど掘りつくされていますし,また,利息制限法改正(グレーゾーン金利の廃止)もあって,新たに過払案件が生じることもほとんどなくなっています。
 そのため,最近は,任意整理の場合,そもそも過払金が発生しない取引,過払になっていた時期はあるが,その後の借入れによって残債務が残る取引の方が多いのではないでしょうか。
 「過半数が借金0」という言葉のインパクトは強いですが,新しく任意整理の依頼を考えている方が,半数以上が借金0になるのであれば,自分も借金0になるだろうと思って依頼をされるのは,正しい選択でしょうか。

例2 「○○万件もの処理実績」

 弁護士として,依頼者に最善のリーガルサービスを提供しようとする場合,一人で処理できる件数には,時間の制約がかかることになります。
 それは,いわゆる過払の案件でも変わりはありません。
 貸金業者と違法な協定を締結して大量処理を行っている弁護士・司法書士がいるということについては,新聞報道等でも既になされていますので,処理件数が多すぎるような場合は,注意が必要ではないでしょうか(なお,上記のような広告をしている弁護士・司法書士が違法協定を結んでいると言っているのではなく,そのような恐れがあるので,依頼する側は注意が必要ということです。)
 また,違法協定を結んでいないとして,どうやって大量処理を行ったのでしょうか。弁護士が有能で,大量処理をできたということかもしれませんが,弁護士ではなく,ほとんど弁護士事務所の事務員が処理を行っているから大量処理ができたのではないかという推測もできます。

例3 「依頼をすれば取り立てが止まります」

 コンサルタント会社に宣伝を任せっきりの弁護士事務所や司法書士事務所にみられるPRです。
 
 取立てで困っている人にとっては,とても心強いPRですが,取立てを止められると断言することは,実務に関わっている身としては,間違った説明だと思っています。

 もし,取立てが止まると断言している弁護士・司法書士に依頼されるのであれば,「なぜ取り立てが止まるのか?法的根拠は?」と確認されてみてはいかがでしょうか。信用金庫・銀行からの督促や,闇金の取り立てがくることはないのかも確認されるとよいかと思います。


文京区 本郷 柏木法律事務所 弁護士 柏木恭平

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